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3.1 サブネットワーク・アクセス。プロトコル(SNAcP)の主要機能

一般的なネットワーク層サービスにおいては、通信を行う前に「コネクション」と称する「呼」を設定し、ネットワーク層内でのデータ送達性を保証する「コネクション型ネットワーク・サービス」とコネクションの設定を行わずにデータの送達性保証を上位層プロトコルに依存する「コネクションレス型ネットワーク・サービス」という2つのパケット交換方式があるが、VDLのサブネットワーク・アクセス・プロトコル(SNAcP)は、コネクション型の空地パケット転送サービスを提供するものである。その主要機能を、以下に示す。
(1)コネクションの確立と解放
VDLでは、DTEアドレスごとにコネクションが設定される。その確立には、明確化(explicit)と急速化(expedited)という2種類の手順が規定されている。手順内容については、3.4項に示す。
(2)パケット分割と再組立
VDLユーザから引き渡されたデータをVDL内で管理するパケット・サイズに分割・転送し、受信VDL局がそれを再びユーザ・データ単位への組立てを行う。パケット・サイズは、128オクテットから2048オクテットまでの間で選択可能であり、モード2では1024オクテットが標準値となっている。
(3)誤り回復制御
受信VDL局のサブネットワーク・エンティティは、無効パケットの検出やパケットの順序性をチェックし、異常を検出した場合にパケットの連続性を保証するためにリジェクト・パケットを送信局に伝送して、当該パケットの再送信を要求する機能を有している。この再送信パケットは、受信シーケンス番号によって指定される。
(4)コネクション・フロー制御
VDLのSNAcPでは、モジュロ8のスライディング・ウィンドウによってフロー制御を行う。ウィンドウの標準値は、モード1及びモード2ともに7パケットである。
(5)コネクション・ハンドオフ
VDLでは、航空機の移動に伴い、データリンク・レベルのハンドオフとともにサブネットワーク・コネクションのハンドオフを実行する。ハンドオフ手順には、コネクションの確立と同様に明確化(explicit)と急速

 

 

 

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